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高校校長だより:5月号 高校全校集会

日常の風景

        5月7日 全校集会 校長 表彰と講話

1 表彰 本校生徒3名がNHKの番組「金とく」にて優勝したことに対して、理事長賞を授与します。石津 知巳(高3 バスケットボール部 生徒会長 浜松開誠館中出身)、名倉 美咲(高3 演劇部 「HKKドリーム」参加 浜松市立開成中出身)、藤田 晴海(高2 サッカー部 浜松市立富塚中出身)の3名です。

理事長賞

 先日、校長宛に一通のお手紙と家康に関する書籍を何冊かいただきました。浜松市史編さん執筆委員の鈴木(すずき) 正之(まさゆき)様からのものでした。鈴木様は先日放送されたNHK総合の番組「金とく」をご覧になり、浜松代表が優勝したことに大変感心され、お手紙を書かれたとのことでした。お手紙の紹介は、すでにこのホームページのニュースに掲載してあります。集会ではその手紙を紹介しました。

 

2 講話 叱られる意味を考えよう

本田宗一郎に一番叱られた男「岩倉(いわくら) 信(しん)弥(や)さん」を紹介しますので、叱られる意味を考えましょう。

ホンダの「シビック」「アコード」「オデッセイ」などのヒット商品を手掛け、日本の自動車デザインの第一人者と称された岩倉(いわくら) 信(しん)弥(や)さん。実は「本田宗一郎に一番叱られた男」だったそうです。

心に刻み込まれた本田宗一郎の教えの一端を『致知』2007年8月号で、次のように語っています。

  本田さんはいつもしつこいくらいに「いいものをつくるにはいいものを見ろ」とおっしゃっていました。ある時、こんな苦い経験をしたことがあるんです。「アコード」の4ドア版をつくっていた時のことでした。僕らのデザインチームは、4ドアを従来の3ドアの延長線上に考えて開発を進めていた。ところが本田さんは「4ドアを買うお客さんの層は3ドアとは全然違うぞ」と言って憚らない。ボディは四角く、メッキを付け、大きく高そうに見えるようにしろと言われるのです。

 僕は内心、そんな高級車はよその会社に任せればいいと考えていました。ほんの気持ち程度の対応しか見せない僕らに、本田さんは「君たちはお客さんの気持ちが全然分かっていない。自分の立場でしかものを見ていない」と日ごとに怒りを募らせてきます。

 毎日よく似たやりとりが続き、我慢の限界を感じた僕は「私にはこれ以上できません。そんな高級な生活はしていませんから」と口にしていました。本田さんはそれを聞くなり「バカヤロー!」と声を荒げ、「じゃあ聞くが、信長や秀吉の鎧(よろい)兜(かぶと)や陣羽織(じんばおり)は一体誰がつくったんだ?」と言われたんです。大名の鎧兜をつくったのは、地位も名もない一介の職人。等身大の商品しかつくれないのであれば、世の中に高級品など存在しなくなる。

 自分の「想い」を高くすればできる。心底その人の気持ちになればできるんだ。つくり手は、その人が欲しいのはこういうものだということが分からなければダメなんです。想像する力ですね。

像を想う。その人になり切る。それができなければよいデザインは生まれない、と教えてくださったんです。

 僕が40歳になった時「形は心なり」という言葉がふっと胸の中に浮かんできました。やはりいい心でものを考えないといい製品はできないし、形のいい製品はやはりいい心でできているんだなと思うようになりました

 

まとめ

購入する人になりきって、相手の気持ちを考える。自分中心の、自分の都合ばかりを優先していると、相手の気持ちも理解できないでしょうし、アイディアも生まれないのでしょう。「良い心で良い仕事を考える」からこそ良い成果がついてくるのですね。高校生活の中で、いろいろ叱咤されることがあると思います。この機会に、自分が叱られている意味や相手の思いを考えてみましょう。 

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