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高校校長便り 年度最終号 平成28年度 修了式 式辞

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平成28年度 修了式 式辞

 昨日の中学校卒業式が終わり、先輩たちが巣立っていきました。今年度を振り返ると、文武の両目で大きな活躍が見られました。先輩たちとともに作った成果です。来年度は、その成果以上になるように成長していきましょう。そのためにも、振り返り、課題を見つけ春休みからこなしていきましょう。

 さて、今回は気配り、心配り、おかれた状況の中でどうするか?、振り返りの大切さ、今年度の重点としての挨拶の意味について話します。 

1 気配り 心配り

 ある月刊誌の「巻頭の言葉」はイエローハットの鍵山秀三郎さんの言葉が書かれています。その中で道徳的な生き方について話します。

道徳的な生き方とは、何も特別なことではありません。手間隙がかかり面倒なことを厭わず、さりげなく、普通に実践していくことだと考えます。

 先日、本校の野球部の生徒が、路上で倒れた人に救急車が来るまで寄り添ったことがありました。その方はいたく感動され、感謝の連絡をいただきました。開誠館の誇りです。

話を戻します。

ゴミが落ちていれば拾う、机が汚れていれば拭く、自分の後から部屋に入ろうとする人がいれば、ドアを開けて待っていてあげる。そんな些細なことから始めればよいのです。(中略)

 金を払っているのだから、片づけてもらって当たり前、何をしても構わない、こういう考えが世の中を悪くするのです。口先で立派なことを言う前に、まずは自分の使った毛布を畳んで席を整えておく。少々面倒なことでも、後片づけをする人を思いやってさりげなくできることが道徳的な生き方です。

 よい社会に住みたいなら、そうなるようにいまの自分の行動と考え方を変えていかなければなりません。逆のことばかりやっていては、いつまでも社会は変わりませんし、それは回り回って結局自分に返ってきます。

 人々の間に道徳心や責任感が養われ、お互いを励まし、褒め、認め合う、思いやりに満ちた温かい社会になることを、私は願ってやみません。

 また、日本を美しくする会の相談役でもある鍵山さんは、トイレ掃除をもう50年以上続けられていると聞きます。「10年続けることは偉大だ、20年続けるこことは畏るべし、30年続けると歴史となる」と、鍵山さんは仰っています。後に使う人のことや周りの人のことを思いやって、さりげなく、些細なことをやり続けることで、その輪を広めて、 社会とそこに住む人の心も美しくしようとされています。まさに鍵山さんこそ、道徳的な生き方をされている方だと思います。

 

2 おかれた状況の中でどうするか?

昔、西鉄ライオンズというプロ野球の球団があり、そこに稲尾和久という投手がいました。「神様、仏様、稲尾様」といわれて、稲尾さんが出た試合は必ず勝つというぐらいの成績をあげた人でした。 『小さな経営論』(藤尾秀昭著)に、稲尾さんのエピソードが ありましたので、紹介します。

稲尾投手の記録:入団から8年連続20勝以上、1961年不滅の記録42勝、通算276勝137敗、防御率1.69

 稲尾さんと同期で2人のピッチャーが入ったそうです。ところが、その2人と自分の扱いがぜんぜん違うわけです。彼らはピッチング練習をしているんだけれど、自分はバッティングピッチャーしかやらせてもらえない。

 おかしいなあと思って、稲尾さんはタイミングを見計らって2人に聞くんですよ。「僕は3万5,000円の給料と契約金50万円で 入ってきたんだけど、君たちはいくらもらった?」 そうしたら2人は、契約金がそれぞれ500万と800万、月給も10万と15万だったそうです。球団の期待の度合いが全然違うわけです。だから彼らはピッチャーの練習をしているのに、自分はバッティングピッチャーばかりやらされるのか、と稲尾さんは知るんですね。

 普通ならみなさん、「なんだ、馬鹿にするな、俺はもう辞める」というところです。でも、稲尾さんはいわないんです。どうすればいいか、じーっと見ていて考えるんです。

 私はよくいうんですが、伸びていった人というのは自分に与えられた環境、条件をすべて生かしきって成長していくんです。稲尾さんはまさにそうなんです。

 マイナスの条件もいっぱいあるんです。そのマイナスの条件もすべて生かしきっていく人が成功するんです。稲尾さんはまさにそうなんです。

 このボール球にする一球は俺だけのものだ。この一球だけは別に相手を気づかわなくてもいい。バッティングピッチャーだから三球はストライクを投げなきゃいけないけれど、残りの一球はボールでいい。だから、その一球は俺のものだ。そこで、稲尾さんは、この一球で自分の練習をしようと決心するんです。高め、低め、インコース、アウトコースとボール球を投げ分ける練習をしようと。その結果、彼は名コントローラーといわれるピッチャーになるんです。そうやって自分の与えられた環境の中で一心不乱に仕事をしていったから、稲尾さんの人格が磨かれて、運命を招来していったんです。だから「精進」が一番大事なんです。心から行動、行動から習慣、習慣から人格、人格から運命が変わっていきます。身につけることが肝心です。

3 振り返る=復習=見直すことの大切さ

振り返ることができることは能力です。この能力は習慣で鍛えられ、身につきます。数学者の秋山仁先生は、「1回振り返り=復習=見直しは2倍、2回の復習は4倍理解を増す」といっています。3回では8倍になります。4回では16倍になります。この春休み、勉学においても運動においても、目標を立てて復習=見直しをして、この能力を身につけてください。成功の反対は「しないこと」です。

4 今年度重点 「挨拶」

 本校には、「夢力×人間力×智力=自己実現」という教育コンセプトがあります。その中の「人間力」を高める3つを紹介します。

①本気で挨拶する ②誰も見ていなくても掃除ができる ③素直に話を聞ける

是非、実行してみてください。その中でも、「挨拶をする」ということを少し深く考えてみましょう。

 あいさつとは、自分の心開くこと 相手を認めること 人として生きていくうえで最も大切な流儀です。あいさつができると・・・・相手も心を開いてくれる 相手も自分を認めてくれる 周囲の見る目が変わる。開誠館での「挨拶の最高レベル 5 」は自ら、立ち止まって、来校者に明るく気持ちよく挨拶ができるです。レベル2は、友達の挨拶に、小さな声で挨拶を返すこと。

4月新年度、後輩になる新入生を迎えます、先輩として「手本」を見せようではありませんか。

以上のいくつかの話は、本校の徳育教育として、皆さんは「kコンパスや7つの習慣J」で学んだことです。まずは、習慣化をしましょう。

以上、平成28年度終了式の式辞とします。

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