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中学校長ブログ:「浜松」から学ぶ〜徳育授業K-Compassより〜

日常の風景

今週は、2人の日本人研究者がノーベル賞に輝いたというニュースが、駆け巡りました。5日の大村智さんのノーベル医学・生理学賞受賞に続き、6日には梶田隆章さんがノーベル物理学賞を受賞し、連日の快挙に日本中が湧き上がりました。

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 物理学賞を受賞した梶田さんの功績は、宇宙から降り注ぐニュートリノの質量を捉えたということで、岐阜県飛騨市(旧神岡鉱山)にある巨大観測施設スーパカミオカンデが注目されています。このスーパーカミオカンデの先代となる施設のカミオカンデに関しては、2002年に同じノーベル物理学賞を受賞したことで知られる小柴昌俊さんの研究の主戦場であったことはご承知の通りです。

 

 そのカミオカンデやスーパーカミオカンデを支えるのは、私たちの地元の企業の技術です。浜松ホトニクスが開発した「光電子増倍管」という非常に高感度で高性能なセンサーが、これら素粒子物理学の研究を支えていたことが改めて注目されています。

 

 さて、一見本校とは何の関連もなさそうなこの話題ですが、折しも今週、中学2年生のKコンパスの授業で取り組んでいたテーマは、まさに浜松の企業についてでした。高い技術力を持つ企業が浜松にはたくさんあります。

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本校独自の徳育教育プログラム「Kコンパス」は、3年間かけて体系的に自己マネジメントから社会性、将来展望などさまざまな課題を学ぶ週1時間の授業です。1年次に学んだ基本的な自己マネジメントスキルを活かし、2年次は、具体的な地域とのつながりや社会・将来について学ぶ時間が増えます。そうした中で、今回扱ったテーマ「職業観を育む」のねらいは、特に地元の産業や偉人を知ることで、自分自身の職業意識を高めていくというものでした。

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授業では、浜松地域の産業特性について考えたうえで、教師のファシリテーションによって、生徒たちが次々と質問に答えます。世界的に高い技術が評価されているいくつもの企業が、この周辺地域を発祥としていることを確認していました。

さらに、前述の浜松ホトニクスの源流とも言える「日本のテレビの父」高柳健次郎さんの半生にも触れていました。生徒たちは、(特に浜松市内の出身生は)小学校時代にも学んだであろう自分たちのまちについて認識を新たにしたようでした。

こうした授業を通し、生徒たちは、将来は就労することについてのイメージをそれぞれで高めたり、お互いに話し合ったりしていました。

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今後も、優秀な技術を持つ企業がこの浜松には大小を問わず多数存在していることをきっかけとして、生徒の職業意識や仕事観などを育み、地域に有益な人材を育てていきたいと思います。

 

浜松開誠館中学校校長 永井 靖

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