【1回戦】
岐阜市立長森中学校(岐阜1位)1-7浜松開誠館(静岡2位)
【開】山下-縣 【三塁打】山下 【二塁打】伊藤
【準決勝】
幸田町立南部中学校(愛知1位)1-2浜松開誠館(静岡2位)
【開】山田、嵐田、山下-縣
【決勝】
阿久比町立阿久比中学校(愛知2位)0-4浜松開誠館(静岡2位)
【開】山田-縣 【二塁打】山下、河合
※浜松開誠館は初優勝。この結果、8月18日(月)から佐賀県で行われる全国大会に6年ぶり2度目の出場が決定。
【戦評】
“静岡県の頂点”がほぼ手中に収まりかけていた静岡県大会決勝戦。信じられない終盤の逆転負け・・・。次の東海大会出場が決まっていたにもかかわらず、涙する選手もいた。もしかしたら、この時からすでに東海大会優勝のシナリオは始まっていたのかもしれない・・・。
決勝戦の相手は、阿久比町立阿久比中学校(愛知2位)。5回終了時点で0-0。お互いにこれといったチャンスもなく息の詰まる投手戦となったが、5回裏の開誠館の攻撃に8番河合(三年:初生小出身)が三球連続で三塁線にきわどい打球を放ち、その都度一塁に飛び込んだ。その泥臭さが開誠館の真骨頂・・・。試合が動く予感があった。観戦していた理事長も「このような選手は、絶対結果を出す」とおっしゃり、声を震わせた。その言葉が現実となったのは6回裏の開誠館の攻撃。3-0となった二死三塁から、河合はライト線にタイムリー二塁打を放ち、これがダメ押し点となった。
河合は新チームスタート当初から、走攻守のバランスが良く、指導者たちから高いレベルでプレーができる選手として期待されていた。しかし、なかなか結果が出ず、河合自身、腐りかけた時期があったかもしれない。河合を外して別の選手を使う案も、もしかしたら指導者間にはあったかもしれない。それでも下河邉監督は河合を外すことはなかった。監督は言っていた。「河合には人として信じられる部分がある。このような選手を外す考えはない」と・・・。
河合は困っている人や手助けが必要な場面では、必ずと言っていいほど率先して行動する。開誠館中学野球部が掲げる『愛される野球部』を体現する選手である。これは我が中学野球部のバックボーンであり、伝統として長く受け継がれてきた部分である。だからこそ監督は河合をチームの柱として厚く信頼しているのだと思う。
開誠館の先発山田(二年:船越小出身)は二試合連続で好投した。マウンドに立つ姿は堂々としており、今年3月に公式戦初登板した初々しい姿とは全く別人で、積み重ねた練習と経験、結果が自信となって現れているようだった。こつこつと努力し、大舞台で結果を出し続ける山田もまた、開誠館の伝統を体現している選手であることは間違いない。先輩から後輩へ伝統は引き継がれていく・・・。
東海大会は運も味方した部分があるは、それも実力のうち。日頃の彼らたちの行動が勝負運を引き寄せたのだと思う。6年ぶりの全国大会出場に向け、大河内(三年:浅羽北小出身)主将は“全国の頂点”を目標に挙げた。まずは6年前に達成できなかった初勝利をあげ、全国制覇の足がかりに・・・。
『咲き誇れ、君の夢は九州(ここ)にある!』
