みなさん、こんにちは。
先日、校内のしだれ桜についてお話しました。あの時は、まだ、葉が残っていました。
しかし、今日、木を見上げると、その姿は一変していました。
一枚の葉も残さず、すべての葉を落としたしだれ桜の木は、冬の光を浴びながら、冷たい風に吹かれながらも、凜として立っていました。
幹や枝の力強い線が、澄みきった空に美しく、浮かび上がっているように見えました。
それは、華やかな季節とは違う、静かさの中にも揺るぎない強さを感じさせてくれる姿でした。
皆さんが過ごす中で、思うようにならず、目標を見失いそうになり、投げ出してしまいたくなる時があるでしょう。
そのような時は、この葉を落としたしだれ桜の姿を思い出して下さい。
花も葉もない冬の姿は、決して寂しいことではありません。
むしろ、訪れる春のために、木の奥深くに命のエネルギーを蓄え、見えないところでしっかりと根を張り、幹を太くしている時期なのです。
今、困難に直面し苦しいと感じる時間であっても、それは、決して無駄ではありません。
ひとつひとつの経験が、人生という大樹の幹をより強く、より太くしていきます。
目標達成のために、誰にも見られない所で、ただひたすらに努力を重ね、悔しさを噛みしめ、それでも前を向こうとするその姿こそ、真の強さであり、未来への確かな土台となります。
このしだれ桜は、毎年、冬の寒さに耐え、春にはまた見事な花を咲かせます。
皆さんの人生も同じです。
困難を乗り越える内側には、計り知れないほどの可能性と力が眠っています。
自分自身を信じ、「困難」を乗り越えていってください。
その先には、きっと唯一無二の美しい花が咲くでしょう。
教職員全員で、皆さんのそのひたむきな努力と、未来へと向かう強さを、これからもずっと見守り、応援し続けます。