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校長ブログ:全校生徒の皆さんへ しだれ桜に寄せて

高校女子バスケットボール部、中学校駅伝部が全国出場を決め、そしてサッカー部は、全国をかけての大一番を今週末に控えています。

この頑張りに、学校全体が熱気に包まれ、大きな期待と声援を送っています。

私も心から嬉しく思っています。

全国出場、おめでとうございます。選手の皆さんの健闘を心から祈っています。

 

本日、校内巡視をしている時、風に揺れるしだれ桜の木を見ました。

この季節は華やかな花も、青々とした葉もなく、まさに「葉桜」の季節です。

生徒のみなさんにとって、この木は風景の一部でしかないかもしれませんね。

しかし、冬の光を浴び、わずかに色づいた葉が静かに風に揺れる姿は、私には言葉にできないほどの美しさと、ひたむきな強さを表現しているように感じました。

勝敗を越えた、人生という名の「葉桜」の時期

思うような結果が出せず、悔しい思いをしている生徒のみなさん。

過去の栄光と今の状況を比べて、複雑な気持ちを抱いている生徒のみなさん。

みなさんの心の中にも、今まさに「葉桜」の時期があるのかもしれません。

例えば、練習を重ねても、レギュラーになれなかった日々、目標としていた大会で、力を出し切れずに終わった瞬間など様々な思いがあることでしょう。

また、進路決定においても同じことが言えると思います。

華やかなニュースが注目を集める中で、「勝てばチヤホヤ、負ければ注目されない。」

もし、そう感じている生徒がいるとしたら、それは、徳育を教育の中心に置き、教育の一環としての部活動という考え方を大切にしている本校の意図するところではありません。

私は、ふとそんなことが心配になったのです。

私はそれでは悲しく思うのです。

という気持ちから、このブログを書くことにしました。

「花は必ず咲く」

人生は、このしだれ桜と同じです。

春に咲く見事な花は、確かに大きな成果であり、勝利の栄光です。しかし、その一瞬の輝きを支えているのは、夏の暑さに耐えながら秋にかけての新芽作り、厳しい冬を堅いからでしのぎ、「休眠打破」というメカニズムがあってのことなのです。

今、結果が出なくても、スポットライトが当たらなくても、皆さんが流した汗と、重ねた努力は決して消えません。

それは、しだれ桜が来たる春のために、新芽の準備をし「休眠打破」に向けて、厳しい季節を越していくことと同じです。

勝利だけが「花」ではありません

目標に向けてひたむきに取り組んだプロセス、仲間と支え合った絆、そして、悔しさをバネにして「次へ」と踏み出す皆さんの心の成長こそが、かけがえのない「花」なのです。

その花は、この先、皆さんが社会に出た時、必ず人生のどこかで咲き誇ります。

勝敗は、人生という壮大な物語のひとコマに過ぎません。今は「葉桜」と感じることがあったとしても、どうか胸を張ってください。

来る春のために、静かに、強く、根を張っているあなたたちは、学校において輝く誇りです。

教職員一同は、勝利を手にする生徒たちだけでなく、その道のりを一歩一歩進んでいる全ての皆さんの頑張りを、心からたたえ、見守り、ファシリテートを続けていきます。

自信を持って、自分の人生の幹を太くしていってくださいね。

生徒のみなさん全員を心から応援しています。

皆さんもぜひ、アリーナ入口前のしだれ桜を見上げてみたらいかがでしょうか。

校長    髙橋千広

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