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高校校長便り3月 修了式式辞

学校行事

平成29年度 修了式 式辞

 この冬はなかなか寒い時期が長くありましたが、このところめっきり春らしくなってきました。桜が開花しました。日本の四季、春の風景です。日本の年度末、4月は年度初め、春は動植物が目覚め、あたらしい成長がみられる時期です。人々の気持ちも変わり目を感じつつ、片付けつつ次への準備をしようかという、時期ではないでしょうか。さて、今回は、日本人の良さについて、今年度の重点としてのグローバル成果発表のアンケート結果、しつけと学力の関係について話します。

1 「ベトナムで広がる支援の輪――日本人を勇気づけたい―」

 JICAホームページより「ベトナムで広がる支援の輪――日本人を勇気づけたい―」から抜粋したものです。JICA(Japan International Cooperation Agency)とは、発展登場国への技術協力、資金協力を主な業務とする外務省所轄の独立行政法人「国際協力機構」のこと。2003年、発足した。現在、日本政府の無償資金援助の約6割程度はJICAの主導で行われています。発展途上国が求めている欲求をくみ取ってより適切な援助が行なえるようにするコーディネーターとしての事業が主で、青年海外協力隊の派遣もJICAが行なっています。

 これは、一人のベトナム人が見た、東日本大震災での話しです。Ha Minh Thanh(ハ ミン タン)さん(警察官、 在日ベトナム人で日本に帰化)は、福島県警察庁を支援するために被災地に入りました。3月16日の夜、被災者に食料を配る作業を手伝うために自分は小学校に派遣された。人々の長い列の中で、9歳ぐらいの子供を見かけた。彼は短パンとTシャツしか着ていない。非常に寒い気温で、彼が列の最後にいるため、僕は彼の番になれば、配る食料もないと心配し、近寄って話を聞いてみた。

 彼は体育の時間の最中に地震と津波が来た。その近くで仕事をしていた彼の父親が学校に駆けつけた。学校の3階のベランダから彼は父親と車が水に飲み込まれたのを見た。自宅が海岸のすぐ近くにあり、母と弟、妹も避難できなかっただろう。肉親について話すとき、彼は急いで顔を振り、涙を拭き、声を震わせた。彼が寒そうに震えているのを見て、自分の警察官用のコートを彼にかけて、さらに夕食のパックを渡した。彼がすぐに食料を食べると思っていたが、彼は配給用の食料箱の中にパックを置いて列に戻った。僕のびっくりした眼差しに対して、彼は「ほかの多くの人が僕よりもおなかを空かせているだろうから、そこに入れて、公平に配ってもらうように」と話した。

 それを聞いて、私は急いで顔をそらし、涙を隠した。最も困難な時に、9歳の男の子が大人の私に、人としての道を教えてくれるとは思いもよらなかった。9歳の男の子でも、忍耐強く、困難を耐え、他人のために犠牲になることが出来る日本という民族は、きっと偉大な民族だと思う。

 日本は、最も困難な状況に直面しているが、少年の時から自分を捨てることができる国民性のおかげで、必ずやより強く再生するに違いない。と、日本に帰化した、一人のベトナム人のHa Minh Thanh(ハ ミン タン)さんが見た、東日本大震災でのできごとです。9歳の少年の在り方生き方を学びたいものです。道徳的な生き方とは、何も特別なことではありません。手間隙がかかり面倒なことを厭わず、さりげなく、普通に実践していくことだと考えます。人々の間に道徳心や責任感が養われ、お互いを励まし、褒め、認め合う、思いやりに満ちた温かい社会になることを、願ってやみません。という話です。

 2 ふじのくにグローバルハイスクール成果発表会のアンケート結果から、外来者の方等のコメントを紹介します。

  生徒の7つの発表の評価は、いずれも平均4.0以上と高いものでした。*グローバルリサーチのプレゼン発表の指導をしっかり行っているのかが疑問。また内容もテーマとの相違があるように感じられ、調べたことを述べているだけに思えた。もう少し内容に対する指導と発表の指導をした方が良いと考えます。*ネイティブ教員によるSHRや昼休みの様子等、短時間でよいので動画を見たかった。*素晴らしい発表でした。*生徒の発表が良かった。また、成長を感じました。*特に中1は4月から授業でも見ているので堂々と発表している姿に成長を感じました*生徒の発表においては、それぞれの成長段階の様子(中1~高校生)がわかり、すごく良かったです。ヒルズ学園の発表は、聞いて、胸に響きました。*生徒のがんばりが良く伝わってきました。*ご担当の先生のご苦労を強く感じました。*限られた時間の中で、よくまとめられていたと思う。*生徒の発表は実体験に基づいて発表されていて大変興味深く聞かせていただきました。生徒の意欲が表現に良くあらわれていました。*社会背景と問題意識、その2点が述べられている発表は分かりやすい。

 ふじのくにグローバルハイスクール指定は、後2年続きまので、成果発表会さらなるレベルになるように頑張ってください。

 3 しつけと学力の関係

 本校では「立ち止まり挨拶」を今年度の締めくくりとして、2月から看板による啓発をしました。皆さんできるようになりましたか。評価Sランクの人が増えてように思います。今日は8割突破というとこでしょうか。良き習慣を続け、よい伝統にしていきましょう。本校には、「夢力×人間力×智力=自己実現」という教育コンセプトがあります。その中の「人間力」を高める3つを紹介します。

 ①本気で挨拶する

 ②誰も見ていなくても黙々と掃除ができる 

 ③素直に話を聞ける是非、習慣にしましょう。習慣が身につけば、人格が変わります。

  躾ができている人は総じて学力が高いという研究調査結果があります。そうでない人で年収86万円の差がある10年、20年、30年でいくらの差になるでしょか? 短い春休み、時間を大切に、1年の振り返りと新年度への準備をしましょう。

 以上、平成29年度修了式の式辞とします。

平成 30   年  3  月 20  日

誠心学園 浜松開誠館中学校・高等学校

高校 校長 中 西 孝 徳 

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