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中学校長ブログ:連休明けの全校集会講話より

日常の風景

大型連休から明けた5/9(月)の一時間目は、中高で分かれて全校集会を実施しました。

平日を2日挟みましたが、連休期間10日間のうち8日間が休業ということで、行楽地に出かけたりのんびり家で過ごしたりした生徒も多かったのではないかと思います。

 

そうした生徒たちの切り替えを促す意味で毎年この時期に全校集会を設定しています。以下に集会で行った講話の内容を紹介いたします。

 

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 新年度が始まり1月が経過しました。
 宿泊研修や校外学習など、それぞれの学年で慌ただしい毎日だったのではないでしょうか。3年生は3年生らしく、2年生は2年生らしく、1年生は開誠館中学生らしく学校生活が送れるようになってほしいと思います。そういう意味では、4月はまだ出来ないことを早く出来るようにしようとする1か月でした。宿泊研修や校外学習を通して、考え方や、ものの見方を一歩前に進められたでしょうか。

 

 出来ないことを出来るようにしていくと、いい意味の「慣れ」が生じてきます。
 「慣れ」というのは、「習う」と同じ語源の言葉です。くりかえしの積み上げによって物事がうまくいくようになることです。
 「慣れ」ると、都合のいいことがいくつかあります。次に何をすべきかが予想できます。だから失敗をしないようになるのです。
 これは人間関係にも言えます。新しい仲間に「慣れ」てくると、その人に対してどうすればより良い関係になるかが予想ができます。だから、絆が生まれ、協力できるようになるということです。

 

 しかし、「慣れ」が行き過ぎると今度は「ダレ」になります。「ダレ」とは弛みのこと。「慣れ」と「ダレ」は感じがよく似た言葉ですが、全然違います。
 「ダレ」ると何が起こるでしょうか。まず何をすべきかが予想できるから、何をしなくてもいいかを考えるようになります。すると、手を抜きます。手を抜くというのは、実際には気持ちを抜くということ。そして、一生懸命やらなくなる。その結果、出来ていたことが出来なくなる、というより、しなくなります。
 人間関係でも同じです。「親しき仲にも礼儀あり」だったのが、「ダレ」ると相手のことを考えなくなります。いい加減に対応するようになります。すると、悪ふざけや、相手を傷つけるということが起こってしまいます。そういう集団はどうなるでしょう。足を引っ張り合いしらけた雰囲気となり、やはりその結果、出来ていたことが出来なくなる、というより、しなくなってしまいます。

 

 最初の緊張感はいつまでも続くものではありませんが、自分自身で「なれ」なのか「ダレ」なのかは意識すれば分かります。必ず自分の一番身近なところから「ダレ」は始まるからです。

 

 イチロー選手やラグビーの五郎丸選手はなぜルーティンをするでしょうか。一つは「慣れ」るためです。極度の緊張感に包まれる場面において、普段通りの自分の力を出せるように「慣れ」るためです。
同時に、「ダレ」に気付くためとも言えます。いつも通りの動作をすることで、いつもの自分との違いがあれば、微妙なズレを読み取り、そこで察知するということです。

 

 ゴールデンウィークが明け、皆さんは今朝どうだったでしょうか。以前と同じような時間に早寝早起きできたでしょうか。食事をきちんと食べたでしょうか。同じバスや電車に乗れたでしょうか。いつも通りあいさつができたでしょうか。
実は、そういうこともイチローや五郎丸のルーティンと同じなのです。

 

 もし、今朝、普段と違うということを自覚したのであれば、早めに自分で修正してほしいと思います。もし、自分だけが注意される、どうして?と思うことがあれば、気が付いてください。先生・父母や周囲の大人が変わったのではありません。自分自身にいつもと違うズレ、つまり「ダレ」があるからではないでしょうか。

 

 5月は、これから中間テストや部活動の大会、そして6月には真澄祭。そういう色々なことが学校内であります。普段できていることをきちんとやって、当たり前に取り組めるように心がけてほしいと思います。

浜松開誠館中学校校長 永井 靖

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