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第11回レワード杯浜松地区中学校野球大会準決勝結果報告

第11回レワード杯浜松地区中学校野球大会

【準決勝】 

開成4×―3開誠館(8回特別ルール)●  【開】牧―増田 【二塁打】半田

 

【戦評】

 準決勝の相手は三度目の対戦となる開成。過去、二度の対戦で勝っている相手ではあるが、実力は拮抗しており、互角である。そして、予想通り、1点を争う緊迫した試合となった。

 開誠館の先発は牧(三年:砂丘小出身)。こんなにボールのキレがない牧は私の記憶にはなく、高めに上ずっていた。前の試合とは別の選手かと思うほど、力みが見られ、ボールが先行した。

 2回裏、開成中の攻撃。先頭の5番打者にレフトオーバーの二塁打を打たれ無死二塁。その後、一死二三塁となり、8番打者にレフト前にタイムリーヒットを打たれ、先制される。ピンチは続いたが、なんとか1点でしのいだ。

 3回表、開誠館の攻撃。一死から9番渥美(三年:浅間小出身)が左中間にクリーンヒットを放ち、一死一塁。四球などがあり、二死二・三塁で3番牧。牧はショートゴロだったが、相手のミスを誘い同点となった。その後は、お互いチャンスをつくりながらもあと一本が出ず、非常に緊迫した展開が続き、7回終了で1-1の同点。8回から特別ルールが採用された。

 先攻の開誠館。無死満塁からのスタートで、打順も3番から。先攻なので3点以上とって相手にプレッシャーをかけたいところだったが、1点も奪えずツーアウトとなってしまう。二死満塁。そして、5番佐藤(三年:芳川小出身)がライン際にサードゴロを放ち万事休すかと思ったときに、相手サードの送球が乱れ、一塁手の足がベースから離れセーフとなった。その間、三塁走者に続き、二塁走者も生還。運が味方しているかのように、なんとか最低限の2点を奪い、開成中の攻撃を迎える。

 8回裏の開成中は無死満塁、2番打者からの攻撃。開成中も好打順からだった。2番打者はショート左にヒット性のライナーを放った。それをショート増谷(三年:浜松東小出身)が飛びつき、グラブで落とした。こぼれ球をサード半田(三年:広沢小出身)がフォローしホームに投げてフォースアウト。一死満塁。ミラクルだと思った。チャンスがつぶれたと思うと点が入り、点を奪われたと思うと入らない。勝ち続ける監督の言葉を聞くと、必ずと言っていいほど「運がよかった」という表現が出てくる。このことなのか・・・と実感した気になった。ところが、次の三番打者が高めに抜けたボールをフルスイングし、あらかじめ後ろに下がっていたライトの安田(三年:葵西小出身)のはるか頭上を越える、走者一掃の逆転サヨナラ二塁打となった。

 悔しい敗戦となったが、夏に向けて「いい負け方をした」と感じた。この試合、開成中もミスが多かったが、それ以上に開誠館のミスが多く出た。今まで当たり前にやれていたことがやれず、もう一度、基礎基本を見直すいい機会となった。その反面、いいプレーもあった。例えば、8回二死満塁で5番佐藤のサードゴロ。佐藤は一塁まで全力疾走した。そのおかげで、三塁手の送球が少しそれてセーフとなった。また、この時の二塁走者の石野(三年:瑞穂小出身)もはじめからホームを狙った走塁をしたおかげでまさかの2点目を奪えた。あのようなプレーはいつもやっているから自然と出たプレーだと思う。

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 選手たちは夏に向けてもう歩き出している。レワード杯敗戦翌日の磐田東、桜が丘中の練習試合では好プレーも見られ連勝した。レワード杯敗戦の意味を分かっているようだった。

 最後の夏の大会では、開誠館は第3シードで登場する。順当にいけば、第2シードとなる開成中とまた、準決勝で当たることになるだろう。その時に、「この時の敗戦があったからこそ・・・・」と言いたいものである。

 最後に、閉会式で大会役員の方がフランスの細菌学者、ルイ・パスツールの「偶然は準備のできていない人を助けない」という言葉を引用した。本当にその通りだと思う。運が良かったという偶然は、本番までにしっかりと準備したチームに起こるミラクルな現象なのかもしれない。

第11回レワード杯浜松地区中学校野球大会三回戦、準々決勝結果報告

第11回レワード杯浜松地区中学校野球大会三回戦、準々決勝結果

【三回戦】

中郡0-5開誠館 〇 【開】牧-増田 【本塁打】半田 【二塁打】増谷、増田

【準々決勝】

引佐南部3―6開誠館(延長9回、特別ルール)〇 【開】渥美―増田  【二塁打】馬場

 

【三回戦、戦評】

 開誠館の先発は牧(三年:砂丘小出身)。4月の県大会以来、はじめて公式戦のマウンドに上がった。この試合の牧はフォームに力みがなく、コントロールも安定しており、本来の投球スタイルを見せ、1安打完封で上々の出来だった。

 打撃陣は、4回表に先頭の4番半田(三年:広沢小出身)がレフトフェンス越えの特大本塁打を放って先制。その後、四球で出塁した佐藤(三年:芳川小出身)を一塁に置いて、6番増田(三年:浜松北小出身)が右中間に二塁打を放ち、無死二三塁とチャンスを広げ、8番馬場(二年:白脇小出身)がスクイズを決め二点目。5回には2番増谷(三年:浜松東小出身)が一死から右中間に二塁打を放ち、WP二つで三点目。6回、7回も四球、失策、盗塁、スクイズなどで無安打でそれぞれ1点ずつを加え合計五点を奪った。相手のミスを確実に点に結び付け快勝した試合だった。

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【準々決勝、戦評】

 準々決勝の相手は引佐南部。三回戦の試合を見た印象だと打撃も守備も鍛えられており、接戦になる予感はあった。開誠館の先発は渥美(三年:浅間小出身)。今大会背番号1番を背負い二試合目の登板。初回、三者凡退で打ち取った内容から、前回の笠井戦よりも数段調子を上げていることがわかった。テンポもよく、7回までで打たれた安打は散発の3。特別延長に入った8回もショートの内野安打一本に抑え、絶体絶命のピンチをしのいだ。特別延長2イニングス目も中軸から始まる打線だったが、一本のヒットも許さず、9回を完投しチームを勝利に導いた。もしプロ野球みたいにお立ち台があるとすれば、今日のヒーローは渥美だろう。それぐらい素晴らしい投球内容だった。

 一方、攻撃陣は引佐南部の左投手に苦しめられ、6回まで無安打。コーナーにストレートと変化球を投げ分けられる好投手だった。このような場合、すべてのボールを追いかけても投手の術中にはまるだけで結果はよくない。バットを短く持って内側を狙うのか、踏み込みを強くして外のボールを狙うのか追い込まれる前に狙い球をはっきりさせたほうがいい。

 7回表、先頭の6番増田がレフトにようやくチーム初安打を放った。前の二打席凡退の結果を踏まえ狙い球を絞って打ちに行ったのではないかと思われる。特別ルールに入った9回にも一死満塁から増田は外側のボールをしっかりと振り抜き、三遊間を抜くタイムリーヒットを放った。それをレフトが後逸して走者一掃となり、これが決勝点となった。

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 この試合、勝負所での守備力が勝敗の明暗を分けたのだが、チーム一丸となってメンタル勝負に勝ったのだと思っている。

 特別ルールによる延長一イニングス目。無死満塁からのスタート。開誠館は先攻で最低でも2点以上は取りたい所だったが、増谷のセンターに抜けるタイムリーヒットの1点しか奪えず、状況はかなり不利だった。しかし、選手たちは、みんなで声を掛け合い、その不利な状況を感じさせない雰囲気作りをしていた。

 その裏、引佐南部はいきなりスクイズを仕掛けてきた。しかし、投手の渥美が好フィルディングを見せ、ホームホースアウト。次の1番打者もショートゴロでホームホースアウト。二死満塁から2番打者が三遊間にヒット性の当たりを三遊間に放ったが、ショートの増谷が飛びついて止め、二塁走者をホームに帰らせず、1点に凌いだ。1対1の同点。

 特別ルールによる延長二イニングス目。一死後、5番佐藤のサードゴロを三塁手がファンブルし、まず1点。6番増田は前述したとおり、レフトにタイムリーヒットを放つもレフトが後逸し走者一掃となって5点目。一死三塁から7番安田(三年:葵西小出身)のラインぎりぎりに転がるスクイズの打球を一塁手が触り、6点目を奪った。

 開誠館の選手たちは本当に落ち着いてプレーをしていたと思う。淡々と自分たちのやれることをし、ミスが出ても次のプレーを大事にしていた。勝負所で自分たちの力を出せることは普通に考えるよりも簡単なことではない。メンタルという大きな壁が邪魔をするからだ。この試合、ベンチにいる選手たちも、とにかくよく声をかけていた。ただ声を出すのとは違う。かける声には意味があり、想いがある。チームみんなでとてつもなく大きな壁を乗り越えたのだと思う。

 昨年度のキャプテンはとても勝負強い選手だった。ここ一番で必ずと言っていいほど結果を出した。彼はチームが不利な状況であっても率先して声をかけ、雰囲気を悪くしないようにしていたことを思い出す。その精神を後輩たちが受け継いでいたのだと思うと胸が熱くなる。もしかしたら彼もまた、先輩たちからその精神を受け継いでいたのかもしれない。受け継がれる伝統の強みはここにあるのだと改めて思うのである。

 次の準決勝の相手は開成中である。過去に二度対戦し二度とも勝利しているが、お互い情報もあり今まで以上に苦しい戦いになるだろう。しかし、今回のようにチーム一丸となって戦えば必ず勝機はある。チーム力勝負でまた一つ、白星を積み重ねて欲しい。そして、レワード杯初制覇へ・・・。

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第11回レワード杯浜松地区中学校野球大会二回戦結果報告

第11回レワード杯浜松地区中学校野球大会

二回戦 笠井0-9開誠館 〇(五回コールド) 【開】渥美-増田 【本塁打】増田

 

【戦評】

 夏のシードポイント獲得に向けたレワード大会が始まった。開誠館は二回戦からの登場。相手は一回戦を勝ち上がってきた笠井。開誠館は後攻だったが、一回裏、二死から3番牧(三年:砂丘小出身)がレフト前ヒットを放つと、盗塁、二つのWPで早々に先制点を挙げた。二回裏も先頭の6番増田(三年:浜松北小出身)が、打った瞬間にライトフェンス越えとわかる特大アーチを放ち二点目。続く7番安田(三年:葵西小出身)から4連続四死球で押し出し三点目、2番増谷(三年:浜松東小出身)、4番半田(三年:広沢小出身)のタイムリーや相手守備陣の野選もあり、打者一巡の猛攻で一挙7点を奪い試合を決めた。

 三回裏にも8番馬場(二年:白脇小出身)、1番石野(三年:瑞穂小出身)のヒットなどで無死満塁とし、2番増谷がセンターにきっちりと犠牲フライを打ち上げ、さらに一点を追加し、攻撃の手を緩めることなく完勝した。

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 先発した渥美(三年:浅間小出身)は、五回一安打完封という内容で、反省材料は多々あるにしても先発として合格点をあげられる内容だった。

 大味な試合で開誠館の打撃の凄さが目立ったが、実はとても基本に忠実な打撃をチーム一丸となってやっていたことに感心した。相手投手は右の軟投派で、打者心理としては強く引っ張りたい衝動にかられる。軟投派の投手はこの心理を突き、低めに投げて引っ掛けさせ打者を打ち取ることを考える。打てそうで打てない、打線が投手の術中にはまる一つの現象だと思う。現にこの日の第一試合はまさにそれにあたっていた。

 軟投派投手攻略の手本となるかのように開誠館の選手たちがセンターから逆方向に飛ばした打球は実に80%近くあった。しかも低めのボール球をしっかりと見極め、6個の四死球を得ているところにも価値を感じる。チーム一丸となって攻略したと言っていいだろう。

 この春、創部初めて浜松を制し追われる立場となった。どのチームも開誠館に注目している。しかし、そんなことはお構いなしで、常に挑戦し続けているチームの姿に凄みすら感じるのは私だけだろうか・・・。

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 この試合、監督が一回だけ喝を入れたプレイがある。二回表笠井の攻撃。二死三塁から9番打者がボテボテのセカンドゴロを放った。投手が捕りに行って捕れずに抜けてきたゴロだったため、セカンドのスタートが遅れた。しかも左打者ということもあり、セカンドはランニングスローを選択したが、悪送球になりかけた。一塁手の好捕があって何とかアウトをとったものの、投手が捕るかもしれないという気持ちの隙が見られた一瞬だった。もしその隙が無ければ、打った瞬間にダッシュしてゴロを捕球しリスクの少ないステップアンドスローで普通にアウトを捕ったことだろう。普段の練習の時から気の抜けたプレーは許さないという基本的な指導方針がある。監督もまた、指導の基本をチームに伝えた形となった。

 次戦は20日(土)。勝てば一日二試合という過酷さも加わり、連戦になる。それでもこのチームには経験がある。今までの経験を活かし、その過酷さに挑戦し、乗り越えて欲しいと願っている。

 

第34回全日本少年軟式野球時之栖トーナメント静岡県大会結果報告

第34回全日本少年軟式野球時之栖トーナメント静岡県大会

1回戦 函南町立東 7-7 浜松開誠館 ●  【開】牧-馬場  【三塁打】半田  【二塁打】石野、牧                                  (特別ルール1×-0)

 

【開会式】

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【戦評】

 焼津球場で開会式が行われ、その後藤枝市民グランドに移動し1回戦を戦った。県大会初出場、初戦ということもあってか、選手たちの動きはシートノックから固かったが、そんな中、1回表、2番増谷(三年:浜松東小出身)が一死からライト前安打で出塁。3番牧(三年:砂丘小出身)が右中間に二塁打を放ち、二三塁と好機を作った。二死後、5番佐藤(三年:芳川小出身)の時にWPがあり先制した。2回表も先頭の7番安田(三年:葵西小出身)がセンター前に安打し、四球を二つ絡め、二死満塁から3番牧が三遊間を抜く適時打を放ち、1回裏に追いつかれてはいたものの、すぐに突き放すことができた。しかし、3回裏に三安打を集中され、3点を献上。4対2と劣勢のままイニングは進み、6回表の開誠館の攻撃を迎える。

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 序盤、得点は上げているものの、なかなか自分たちの野球を見せることができずに終盤の6回を迎えた。ここまでは試合のリズム、テンポも悪く、消極的なプレーが目についた。5回表の攻撃あたりから、積極さを見せ始め、開誠館の持ち味を発揮し始めたところだった。9番からの攻撃だが、上位打線に回るこの6回はとても期待できるイニングだった。

 6回表、開誠館の攻撃。先頭の9番仲野(二年:豊田東小出身)が四球を選び出塁。1番石野がライナーでレフトの頭上を越える痛烈な二塁打を放って1点を返し無死二塁。2番増谷は四球を選び、3番牧の時にWPが二つ出て同点。なお無死三塁と勝ち越しのチャンスが続く。一死後、4番半田の時にパスボールがあり、逆転に成功した。続く7回表の攻撃も二つの四球から、4番半田が左中間をゴロで抜いていく三塁打を放って二点を追加。7対4と大きくリードしほぼ勝利を掴んだかに思えた。

 いつもなら終盤でつかんだ流れは手放さない。しかし、いつもとは違った状況がこの日はいくつかあった。初めて経験する県大会の独特な雰囲気、バッテリーの呼吸やリズムの変化、上空で舞っている強い風、通常一時間半で終わる試合時間が二時間半を超える長時間の試合となっていたことなどだ。

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 7回裏、函南東の攻撃。先頭の4番打者がセンターフライで倒れ一死。先頭打者を切ったことでより勝利は近づいた。続く5番打者は三遊間寄りにショートゴロ。しかしショートが捕って素早く送球したボールが右にそれ、一死一塁。ギリギリのプレーだった。素早く送球しなければ内野安打になっていただろう。このプレー自体は精一杯のプレーで、増谷だからこそできたプレーだったと思う。一死一塁。続く6番打者の代打を三振にとり、二死一塁。私はこの時点で十中八九、勝利を確信したが、7番打者の代打がライト前安打を放ち、試合の雰囲気に変化が生まれたことを感じた。二死一二塁。

 今までは正捕手の増田(三年:浜松北小出身)がタイムをとり、ここで間をしっかり開けていたと思う。三点差があるといえども、最終回。最終回というイニングは攻撃側も守備側も様々な思い、気持ちが入り乱れ、ちょっとしたことで試合の雰囲気が大きく変わり、信じられないような展開を演出したりもする。だからこそ、守備側としては、ただひたすら淡々と一つのアウトを取ることに集中し、間をあけるときは間をあけ、声を掛け合うときはしっかりと声を掛け合い、次のプレーを確認するときは確認しあい、今までのイニング通り、プレーすることが大事になる。「三点差があるんだから・・・」と変に邪念が入れば、変化が見え始めている試合の流れに気づかず、対応が後手後手になることはよくある話だ。ましてや先述した通りいつもと違った状況があるので、一度やるべきことを確認し、平常心を取り戻させる時間が欲しい場面だった。

 8番打者がレフト前安打を放つと二死ながら満塁となった。連打はより一層、函南東の押せ押せムードを高めた。そして、9番打者にまたもや代打。函南東の監督は代打攻勢で作った押せ押せの雰囲気に乗ってきた感じだった。その雰囲気にのまれたかのようにパスボールが出て1点を奪われ、なお二死二三塁。一打同点の場面。しかもこのとき、二塁走者はパスボールに気付かず、二塁ベースに戻っていた。一塁走者が二塁に到達してから初めてパスボールに気付き、三進したが、このことを指摘する選手は誰もいなかった。この場面が開誠館の選手たちにとっていかに過酷な状況であったかを証明するシーンとなった。

 それでも牧は、この打者を打ちとったら終わりという、ただそれだけを心の頼りに気力を振り絞って投げていたと思う。ツーストライクまで追い込んだ。あと一球。渾身のストレートを投げ続けた。相手打者も必死に食らいついてファールで粘る。次もファール、次もファール・・・。どうしてもストレートでスリーストライク目がとれない。それでも牧はストレートを投げ続けた。打者と気持ちの勝負をしていたのかもしれない。そして、少し高めに浮いた真っすぐを右中間に運ばれ同点とされ、このイニングでサヨナラの流れが出来上がってしまった思った。牧を支えていたものがなくなってしまったと思ったからだ。悪いことに次の1番打者が失策で出塁し、2番打者が四球を選び二死満塁となった。しかし、牧は踏ん張った。浜松開誠館のエースピッチャーとしての意地を見せた感じだった。このイニングですべての気力を使い果たしたかのようにマウンドを降りてくる牧の姿は、何とも言いようのない姿だった・・・。

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 8回から特別ルールで無死満塁からスタートした。開誠館は表の攻撃で1点も奪えず、その裏にWPでサヨナラ負けを喫した。まさに試合時間三時間という激闘だった。私は、負けてとても悔し試合ではあったと思うが、県大会初出場ながら随所に開誠館らしさを見せることができ、夏に向けて貴重な経験を積めてよかったと感じた。正捕手で4番打者をけがで欠いていたとはいえ、言い訳にはできない。そんなことを負けた言い訳に使っているようならこの試合の敗戦は意味を持たなくなってしまう。今いる戦力のベストメンバーで戦うことは当たり前で、ましてやチーム力勝負をして勝ってきているチームなのだから。この試合があったからこそ、チームとしてもっともっと成長することができたと夏には胸を張って言って欲しいものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第34回全日本少年(中学)時之栖トーナメント軟式野球浜松ブロック大会優勝報告

第34回全日本少年(中学)時之栖トーナメント軟式野球浜松ブロック大会 

【決勝】曳馬(県連推薦)4-5浜松開誠館(浜松支部1位)〇 【開】渥美、安田-増田 【二塁打】増谷

※浜松開誠館は創部15年目にして初優勝。

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【戦評】

 1回表、曳馬の攻撃。先発した渥美(二年:浅間小出身)は制球が定まらず、連続四球で無死一二塁。すぐさま二番手の安田(二年:葵西小出身)に交代するが、曳馬の6番打者にレフト越えの三塁打、8番打者にセンター前に適時打を打たれるなど、いきなりの4失点。厳しいスタートとなった。しかし、その裏すぐに2番増谷(二年:浜松東小出身)がセンター左に二塁打を放ち、3番牧(二年:砂丘小出身)、4番半田(二年:広沢小出身)の連続四死球で一死満塁と好機を作った。そして、5番佐藤(二年:芳川小出身)がライトに二点適時打を放ち、敗色ムードを一変させた。

 一点差に迫った6回裏開誠館の攻撃。一死から5番佐藤が四球を選び、6番増田がセンター前にクリーンヒットを打ってつなぎ一死一二塁。そこから3連続四死球で二点をいただき逆転に成功した。最終回の曳馬の攻撃は一死から走者を一人出すも2番打者がセカンドライナーで二死、一塁走者飛び出しでダブルプレーが成立。開誠館は見事、初優勝を飾った。

 この試合を振り返ると、やはり4点ビハインドの1回裏にすぐ2点を返せたのはベンチの士気を高め追撃ムードをつくる上でとても大きな意味があったと思う。投手陣も二番手の安田が、2回以降被安打1、与四球1で曳馬打線の勢いを完全に止めた。安田の投球で守備のリズムをつかみ、攻撃に移すことができた。あの力投がなかったら逆転を呼び込むこともできなかっただろう。

 準決勝で県大会出場を決めた後、二時間ほど間を置いてからの決勝。喜びと安堵感、緊張がほぐれたこの空いた時間により、選手たちは無意識にダレていたと思う。「負けていい試合などない」と言わんばかりに監督が檄を飛ばし、主将の増谷はショートで好プレーを見せ、一打席目に二塁打を放ってチームを鼓舞した。試合の入り方としては最悪だったが、そこから立て直し試合をひっくり返せるだけのチーム力が今はある。この大会がはじまる前とは全くの別のチームになったと思う。

 県大会出場が決まり、優勝した時に見た保護者の喜びと笑顔は何とも言えないもので、「親の苦労」などと言うと怒られるかもしれないが、そんなことを考えると本当に感無量だった。選手たちには保護者のあの笑顔を何度でも見せてもらいたいと思う。

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第34回全日本少年(中学)時之栖トーナメント軟式野球浜松ブロック大会準決勝結果報告

第34回全日本少年(中学)時之栖トーナメント軟式野球浜松ブロック大会

【準決勝】開成(浜松支部3位)0-3浜松開誠館(浜松支部1位) 〇 【開】牧-増田

※浜松開誠館は創部15年目にして4月16日から行われる県大会に初出場する。

 

【戦評】

 3月5日に行われた浜松地区大会準決勝で対戦した相手。その時は開誠館の猛打爆発で7-2で圧勝した。しかし、開成の投手は好投手で、本来の調子を取り戻していたら苦戦は必至だった。

 初回、開誠館の攻撃は三者凡退に終わった。続く2回表も4番、5番と内野ゴロに簡単に打ちとられ二死となった。開成の投手はコーナーにしっかりと直球と変化球を投げ分け「前回のように打ち崩すのがなかなか難しい」状況だった。しかし、6番半田(二年:広沢小出身)がレフトに痛烈な安打を、7番安田(二年:葵西小出身)もレフト前に安打を放って続くと急にリズムを崩し始めた。この回は結局無得点だったが二死満塁まで攻め立て、つけいるスキを十分に感じさせた。

 3回表開誠館の攻撃。先頭の1番石野(二年:瑞穂小出身)が四球で出塁。盗塁も決め無死二塁となり、2番増谷(二年:浜松東小出身)がしっかりと送り一死三塁。3番牧(二年:砂丘小出身)の時にスクイズが見事に決まり、さらに相手野手の一塁への悪送球でなおチャンスが続いた。続く4番増田(二年:浜松北小出身)、5番佐藤(二年:芳川小出身)がレフトに連続安打を放ち2点を追加。3対0とリードしそのまま逃げ切った。

 先発した牧は9安打を浴びながらも要所を締め完封。本来の調子から程遠い感じはしたが、それでも粘りの投球を続けた。開成の各打者は振りが鋭く豪快なスイングが目立ち、投手心理を考えると怖さがあったと思う。それでも逃げずに最後は渾身のストレートで打者を打ちとっていった姿に感動すら覚えた。「冷静さと闘争心」が備わった見事な投球で完封した意義は、とてつもなく大きい。

 開誠館はこの試合を勝利したことで創部初の県大会出場を決めた。平成14年に創部された中学野球部。創部から16年目を迎えようとしている。創部当初から下河邉監督が指揮を執ってきたが、道具がない、人数がなかなかそろわない、グラウンドがないなどこの15年の間には投げ出してしまいたくなるような局面が何度もあったはずだ。それでも弱音を吐かず、ただひたすら野球人として、野球の楽しさを一人でも多くの生徒に伝えようと野球経験者、未経験者を問わず受け入れ、情熱を注いできた。3月21日の朝会の際、服部先生から県大会出場報告がなされると、多くの先生方から喜びの声と拍手が上がった。下河邉監督率いる中学野球部は、周りから「愛されている野球部」なのだと強く感じた瞬間だった。

 今ですら、グラウンドもあり、道具もそろい、人数も十分にいるが、中学野球部一期生からコツコツと積み上げられてきた伝統という財産の上に現在が存在することを忘れず、「感謝と誇り」をもって県大会に臨んでもらいたいものである。

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第34回全日本少年(中学)時之栖トーナメント軟式野球浜松ブロック大会二回戦結果報告

第34回全日本少年(中学)時之栖トーナメント軟式野球浜松ブロック大会  (3月18日)

【二回戦】三ヶ日(浜名湖支部1位) 0 - 3 浜松開誠館(浜松支部1位) 〇

【開】牧-増田 【二塁打】佐藤

【戦評】

 創部初の県大会出場に向けて四度目の挑戦が始まった。各ブロック上位校【光が丘(天竜支部)、佐鳴台(浜松支部2位)、開成(浜松支部3位)、北星(浜松支部4位)、三ヶ日(浜名湖支部1位)、鷲津(浜名湖支部2位)、北浜(浜北支部)、曳馬(県連推薦)】が出場するこの大会は、ハイレベルな上に県大会出場枠が2校と狭き門である。厳しい戦いは予想されたが、ここまで勝ち上がってきたチームとしての成長にも期待が持てた。

 まずは、三ヶ日との初戦。強打の三ヶ日との戦いは4点勝負と予想された。昨年の新人戦でも対戦しているが打撃戦の末、4対3で辛くも勝利し結果的に打ち勝った形だ。『打ち勝たなければ勝てない』そんな相手だったが試合序盤からお互いにチャンスを生かせず0点が続いた。

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 試合が動いたのは6回表、開誠館の攻撃。先頭の9番渥美(二年:浅間小出身)がライト前にクリーンヒットを放ち出塁。続く1番石野(二年:瑞穂小出身)は四球を選び無死一二塁。2番増谷(二年:浜松東小出身)の時に二塁走者が捕手からの矢のような送球で刺されチャンスが潰れたかに思われたが、増谷は右中間深くに痛烈な打球を放ち一死一三塁と逆にチャンスを広げた。3番牧(二年:砂丘小出身)の初球にスクイズをしっかりと決め先制し、このスクイズしたボールが一塁線ギリギリで止まりラッキーな内野安打となった。そして、二死二三塁から5番佐藤(二年:芳川小出身)がセカンド後方にしぶとく落とし二点を追加。そのまま3対0で逃げ切った。

 この試合の開誠館の安打数は8、三ヶ日は1安打だった。当初予想していた打撃戦にはならず、安打数で三ケ日を圧倒した。しかし、先発した牧はいつもの安定感がなく7四死球と乱調で2回以降毎回走者を背負う投球だった。それでも、ここぞの一本を相手に打たせず、まさに粘りの投球で、エースとしての役割を悪いなりにもしっかりと果たすことができた。

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 私は以前にも『チームの強さ』についてブログ内で書いたことがあるが、チーム力が高ければ高いほど強いチームであり、負けないと思う。この三ヶ日戦では開誠館のチーム力の高さがいくつか伺えたが、やっぱり目についたのはミスが出た後のカバー力だ。例えば、本編にも書いた6回表の攻撃。イニング的にも終盤を迎え0対0の同点。そこに無死一二塁と絶好の機会を得たところで二塁走者が捕手からの送球で刺され一死一塁とチャンスが潰れかかった。本来ならチーム全体ががっかりして沈んでしまってもおかしくないプレーだったが、一度ついた火を消さまいと、みんなで声を出し続けた。増谷も逆に集中力を研ぎ澄ませ、二塁走者のミスを帳消しにする安打を放った。これ以外にもミスをカバーしたプレーは、細かいことも入れると実に多くあった。昨年までには見られなかったことだ。

 私の持論だが、弱いチームほど負けた原因を誰かのせいにする。野球は間違いなく団体競技だ。チームとして戦っているわけだから負ける原因を誰か個人に特定するのはナンセンスだ。試合中、ミスが出た時、仲間を攻める気持ちを持ちながらプレーをしたとしたらミスをカバーすることはできない。「切り換えていこう」「次、次」の前向きな声掛けが本当によく聞こえるようになった。突出した選手はいないが、そんなチーム力の成長こそが、この後の試合においても、いい結果をもたらすのではないかと予感させたのである。

 

平成29年 全日本少年軟式野球浜松支部予選大会優勝報告

【準決勝】 開 成 2―7 浜松開誠館 〇 【開】牧―増田  【二塁打】増田3、半田、馬場

【決 勝】 佐鳴台 0-1 浜松開誠館 〇 【開】渥美-増田 【本塁打】増田

 

【戦評・準決勝】

 開成は昨年の秋、浜松地区で優勝し今春のSBS大会(県大会)にも出場している。この大会はもちろん第一シードで出場し、かなりの強敵だった。開成の右投手は勢いのあるストレートを低めに集め、スライダーを決め球にしている好投手。ロースコアの展開を予想していたが、3回表に打線が爆発。1番石野(二年:瑞穂小出身)が四球で出塁すると一死から3番牧(二年:砂丘小出身)、4番増田(二年:浜松北小出身)、5番佐藤(二年:芳川小出身)、6番半田(二年:広沢小出身)、7番安田(二年:葵西小出身)、8番馬場(一年:白脇小出身)の長短合わせて6連打を集中し、一挙6点を奪い試合を決めた。そして、4番増田はこの試合4打数3安打、二塁打三本の爆発ぶりで4番としての存在感を十二分に見せつける活躍だった。

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【戦評・決勝】

 決勝の相手は佐鳴台。昨年秋季大会の準々決勝で左投手に完封され、県大会出場の目標を絶たれた相手。今回、どんな形で攻略するのか非常に楽しみだった。2回裏、開誠館の攻撃。先頭の4番増田が初球、中に入ってきたストレートを振り切り、天竜中学のライトフェンスを大きく超える特大のホームランを放った。この一打の凄さは、ライト線に真っすぐ上がりそのまま切れずに飛んだことにある。普通なら切れてファールになってしまうところだが、高い打撃技術を証明するもの凄い一打だった。この一点を開誠館は死守し、創部初となる優勝を決めたのである。

 佐鳴台の左投手を攻略できたのか、と言えば残念ながら答えはノーである。放った安打は増田の本塁打と右中間安打の2本のみ。今回も攻略できなかった。しかし、明らかに前回とは打撃の内容が違っていた。前回は高めに差し込まれ、低めをひっかけるという凡打を繰り返していたが、今回はしっかり振りに行っているケースが多かった。もうひと工夫で攻略できる所まできたと思う。次に当たる時は、今回足りなかった「もうひと工夫」を行い、しっかりと攻略したという結果を見せてもらいたい。

 今回、佐鳴台の攻撃を零封できたのは、攻撃的な守備が一つの要因として挙げられる。もちろん、先発した渥美もよく投げ切った。昨年と比較しても精神的成長を感じ、投げ切れた理由も納得がいく。

 さて、攻撃的な守備とは何だろうか?

 まず、初回の守り。一死一塁の場面。3番打者が一二塁間にゴロを打った。二塁手の石野は周り込み二塁に送球しフォースアウトをとった。打球も速いゴロではなく送球も逆モーションになる。一塁走者とセカンドベースがかぶり非常に難しい。送球ミスが出やすいケースだ。無理せず一塁に送球し二死二塁でも良しとする人も多いだろう。しかし、石野はスキを相手に与えなかった。簡単にスコアリングポジションに行かせまいとする積極的な守備をしたと思う。

 次は5回表。無死満塁で2番打者。カウントもスリーボール、ツーストライクの場面。渥美がよく投げ切ったと称賛されたのもこのケースを乗り切ったからである。2番打者はボテボテのサードゴロ。三塁手の半田は捕手が捕ってから投げやすい位置に送球し、捕手も打者走者が目に入り送球ミスが出やすい所をしっかりと正確な送球で投げ切りホームゲッツーを完成。その後、二死三塁で左の三番打者がボテボテのセカンドゴロを放つも、またもや二塁手、石野が反応よく前に突っ込み、ショートバウンドギリギリの位置で捕球し、間一髪、打者走者をアウトに捕った。

 さらに最終回の守備。一死から8番打者がファースト後方のファールゾーンにフライを打ち上げた。ライト、セカンド、ファーストが追いかけ非常に難しい位置に打球が落ちそうになったが、ライトの安田が最後まで追い切りセカンドと衝突しながらもボールを落とさなかった。もちろん声をかけてという話に当然なるのだが、そのことを差し引いてもセカンドが追ってくる恐怖を思えば捕りに行くのを辞めるのもありだったろう。このアウトにより二死無走者で9番打者を迎えることができた。

 このような守備が私が攻撃的な守備と感じた所である。なぜなら、安全策を取ってやめようと思えばやめられたプレーだからだ。指導者の方針にもよる所なのかもしれないが、この時の選手たちが失敗を恐れずこのような攻撃的な守備を見せられたのは、日頃の指導者の方針と選手の練習に対する取り組む姿勢が伺えたのではないかと思う。結果的に、この守備力がチームを優勝に導いたと言っていいだろう。

 浜松地区の1位として次のブロック大会に出場する。今、チームは強くなっている途中だ。一試合一試合、勝つごとにチームとして力をつけている。もっともっと強くなろう。その一番の近道は公式戦で勝ち続けることだ。ブロック大会においても快進撃を期待する。

 

平成28年度浜松地区中学野球ベストナインに鈴木元太選手が選出

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 3月4日(土)浜松西高中等部に勝利しブロック大会進出を決めたこの日、浜松開誠館中学三年、鈴木元太選手が平成28年度浜松地区中学野球においてベストナインに選出されたという嬉しい報告があった。もちろん創部初の快挙である。

 後輩たちにも一つの目標として示すことができたと思う。

 鈴木元太選手は捕手として素晴らしい選手だった。以前もブログ内で語らせてもらったが、三年生一人で主将も務めチームをまとめ引っ張ってきた。いわゆる心・技・体を兼ね備えた選手だった。技能の高さだけで選ばれるものではない。技能だけなら、もしかしたら元太よりも高い選手がいたかもしれないが、人柄、人間性をよく評価しもらえたのだろうと思う。野球選手として最高の栄誉なのではないだろうか。

 ごくごく一部の超一流選手は人格者が多い。高い技能と人間性、心・技・体を兼ね備え周囲を魅了する。技能の高さだけでプロに行っても人間性に問題のある選手の寿命は短い。先日、イチロー選手と三浦知良選手の特集をテレビで放送していたが、どちらも超一流で選手の寿命も長い。そして共通していることは、どちらも周りが厚い信頼を寄せているということにある。

 元太はたった一人の三年生として、主将として、周囲にきつく当たらざる得なかった。それでも後輩たちは元太に厚い信頼を寄せていた。他人に厳しく、自分に甘ければ、そうはならなかったであろう。そして後輩を思いやることも忘れなかった。そんな人格者だからこそ、この最高の栄誉をもらえたのだと思う。本当におめでとう。

 

 

平成29年全日本少年軟式野球浜松支部予選大会準々決勝結果報告

【準々決勝】 浜松西高中等部 1 ―  4 浜松開誠館 〇  【開】牧―増田  【二塁打】牧、佐藤

【戦評】

 開誠館先攻で始まった試合だったが、西高中等部の左の好投手に5回までパーフェクトに抑え込まれていた。しかし、6回表、先頭の7番安田(二年:葵西小出身)がライト前にチーム初安打を記録するとライトの送球ミスもあり無死二塁と大きなチャンスとなった。WPで安田は三進し、無死三塁で8番馬場(一年:白脇小出身)がショートの頭上を越えるレフト前安打を放ち先制した。その後、四球もあり二死二・三塁から3番牧(二年:砂丘小出身)がレフトオーバーの二点二塁打を放ち貴重な追加点を奪った。6回裏に一点を返され二点差に迫られた最終回、5番佐藤(二年:芳川小出身)がレフトオーバーの二塁打を放ち無死二塁と終盤に入って三度チャンスを演出。この回の得点チャンスも8番馬場がきっちりとスクイズを決め、ダメ押しの四点目を加えた。 

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 緊迫したゲームの中、終盤の三度のチャンスをことごとくものにし、選手たちの積極的な姿勢が好結果につながった。また、終盤のチャンスを演出できたその布石は実は初回の3番牧の打席にあったと思う。左の好投手の条件の一つに右打者の内角、左打者の外角にしっかり投げられるかどうかというのがある。いわゆるクロスファイアというボール。そのボールを強く意識させられると、その逆側に来る甘いボールにも手が出ない。そうなると左投手の術中にはまる。このクロスファイアを気持ちよく投げさせない工夫を打者はする必要がある。初回の牧は打席の内側に立ち、内角のボールに逃げないことで内側のスペースを消した。死球を認めてはもらえなかったが、逃げない牧にボールが当たり、当てたことで西高中等部の投手はクロスファイアを投げにくくなったのではないかと推測する。さらに牧だけではなく、各打者がベース寄りに立ち、みんなで見えないプレッシャーをかけ続けた結果、牧が逃げずに当たったことがより効果的になったと思う。みんなで攻撃し、好投手を攻略する理想的な形だった。

 一年生の馬場にも触れておきたい。馬場は得点圏に走者がいるときの打席には特に気迫を感じる。気持ちだけでどうにかなるわけでもないが、気持ちがなければ相手がある勝負ごとに勝つことはできない。

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 終盤の6回。初めて訪れたチャンス。得点は0-0。しかも下位打線の8番馬場で一打席目は三振している。さらに言うなれば左投手対左打者という打者が不利とされる状況の中、監督はなぜヒッティングを選んだのだろうか?

 私は馬場の気迫を監督は信じたのではないか、と思っている。私も経験があるが、試合の中でセオリーを無視する采配をする時がある。それは監督がその場面で登場する選手の信じられる何かを感じとった時だ。失敗し負けた際に批判されるすべての責任を背負う覚悟をもってセオリーを無視するのだから、その信じる思いはとても強いものである。

 かりに馬場が凡打しても、まだ一死三塁。次の9番でスクイズすればいいのではないか?という考えもある。しかし、理由は割愛するが、この場合、9番より8番打者の方がスクイズの成功する確率は高い。

 結局、馬場に打たせたことで、このイニングの三得点につながった。好投手を攻略したことで選手たちの自信にもつながった。ブロック大会への進出にもつながり、まさに『名采配』と言っていいのではないだろうか・・・。